雨の中、親戚の自動車販売店へ大破した我が愛車プジョー206SWの車内に置き忘れていた荷物を取に行った。本来はもっと早く取りにいかなければならなかったのだが、不思議と行く気にならなかった。
テールゲートは変形し開かないので後部座席から荷台をのぞいてみる。(SWはワゴンタイプである) ブースターケーブルや三角の停止表示版、十字レンチなどをプラスティック製の箱に入れておりたのだが、驚いたことに箱が変形していた。よほどの衝撃だったらしい。グローブボックスの荷物も一切引き上げた。整備手帳にオイル交換の記録がある。本気でまだ小学生の長男に、彼が成長して免許をとったらこのプジョーを譲るつもりでいた。長持ちするようにとマメにオイルを交換していた。非常に情けない気持ちになった。
荷物を漁っていたら四国へ旅行した際に入手した金刀比羅宮のお守りが出てきた。黄色い袋に独特の書体の「金」の刺繍が縫い込んである。
これが守ってくれたのかな…と非科学的なことを想像しながらポケットにしまいこんだ。あのとき坂の途中で食べたウドンの味がよみがえってきた。また金比羅さんに行きたいなぁという気持ちが沸き上がってきた。それから我が愛する埼玉県にある、ジョン・レノン・ミュージアムで買ったキーホルダー。プジョーの鍵から外しておいた。次のクルマのキーにつけよう。
来週には次のクルマが来る。何しろ田舎なのでクルマがないと生活できない。(本当のことをいうと、R100GSで通勤したいくらいなのだが、カミさんの猛反発で断念せざるを得なかった)
そう言えば恐い経験も沢山した。バイクの免許を取ってはじめて高速道を走ったときはムチャクチャこわかった。雨の降る夜の高速道なんて二輪で二度と走りたくないと思った。砂の浮いた下り坂のカーブ、人里離れた峠を越えた途端あたり一面が雪景色だったこと*1、早春、チェーンロックをくぐり抜けて林道に入ったのだが、雪にハマって立ち往生してしまったこと*2、山奥で道を間違え岩場に入り込んでしまいタイヤがパンクして動かなくなってしまったこと、山道で私を勢いよく抜いていったバイクがカーブの先で車の下敷きになっていたこと…。思い出したくないようないろいろな経験を繰り返すうちに、段々と恐怖に対する感覚が鈍ってきたのかもしれない。
危険な兆候だ。改めて恐いという気持ちを思い出したいものだ。