田舎者Yの日記

片田舎のバイク乗り・Linuxユーザ、つまり変わり者のブログ

水危機よりもわが国の農業危機が心配

 気がついたら「雑種路線でいこう」からTBが来ていた。はてな村の場末の村民としては非常に嬉しい。一瞬PVが増加するからである。しかし、いつもの調子で内容のないことを書いていると、またアクセスが減少してしまう。そうではあるのだが、田舎住まいの豚おやじがちょっと木に登ったつもりで反応してみる。

 仮想水という概念は私は読売新聞の「水危機」という特集で知った。きちんと読んでいないのでうろ覚えなのだが、日本は大変な「水」の輸入国なのだとか。例えば牛肉を輸入したとすると牛が成長の過程で消費した水量を換算するとかなりの水の量になる。肉を輸入し消費するということでその「水」も消費したと算定する…といった話だったと思う。


 私は時折農業の話を書いているのだが、それは私の住まいがいわゆる農村地域にあることと、同居させていただいている義父が専業農家だということが大きく影響している。ただし私自身は農業を営んでいるわけではない。農業に関する話のほとんどは専業農家の義父の受け売りである。

 義父はレタスやブロッコリーを主に生産しているのだが、夏の日照りが続いたとき彼に「畑に水を撒かないのか?」と聞いたことがある。まったくその心配はない、との返事であった。たしかに日照り続きであると生育が遅れたり、最悪収穫ができなくなる。ただしそのようなことは毎年は起こらない。長い期間で考えると多少の降水量の変動はあってもいずれは雨が降り、平年並に落ち着くことが多いとのことであった。私が住むのは関東平野北部の、それほど寒冷でもなく風水害の被害が比較的少ない土地なので全国的に言えることではないかもしれない。しかし、畑作中心であればそれほど大量に水を消費しないのではないかというのが、下記の記事の私の感想でもある。

 次のボトルネックは水 - 雑種路線でいこう


 ただし米作は大量の水を消費するであろう。たしか米国西海岸では水が慢性的に不足しがちな地域で米作が批判されているとも聞く。オリンピックを控え北京郊外の村が強制的に稲作を止めさせられたとも聞く。しかし日本の場合はどうだろう。

 たしかに大量の水を一時的に占有してしまうかもしれないが、水田は自然のダムとなり梅雨期の大量の降水を一時的に蓄えて、洪水が起こりにくくする作用もあるのではないだろうか。日本の気候からするとそれほど影響がない気もする。第一、田舎に来れば一目瞭然だが、いわゆる耕作放棄地が非常に多い。もし仮に政府が食糧増産を呼びかけたとしても、米価下落を見ればそのほとんどが水田に変わるとは思えない。

 したがって私には夏の降水量が比較的多い日本では、例え食料自給率を上げようと農業を振興したとしても、それほど目に見える形での水危機には直結しないような気もする。(id:mkusunok氏はそういう狭い意味で警鐘を鳴らしてしるのではないでしょうけど。)


 それよりもやはり危ういのはわが国の農業そのものではないか。田舎で暮らしているとよくわかるのだが、田畑ではほとんど若い人姿を見ない。全然見ないこともないが圧倒的に高齢者が農業に従事している。一部に日本の農業従事者の平均年齢は65歳を越えるとも。他の産業でこれほど高齢化しているものがあるだろうか。

 日本の場合、兼業農家が多いということも影響していると思う。土日の「世話」でなんとかやっていけるのは米作くらいではないか。野菜などでは毎日のように出荷があるので兼業では無理である。米余りが続く理由がここにもある。米の消費が落ちて米の買い取り価格が下落しているのにもかかわらず米の生産量がそれほど減っていない。そして総体としての食料自給率は落ち続けている。まったく日本の農業は異常である。


 夕方のTVニュースで中国の食品会社の幹部が、インタビューに答えていた。詳細は忘れたが次のようなことだったと思う。すなわち、日本の安全基準の要求には答えてきた。それでもこれほど中国製品が敬遠されてしまうのでは日本へ輸出することも考えなければならない、と。国内向けに出荷を振り分けたい、とも。たしかに食の安全は確保されなければならない。毒入り食品などマッピラごめんだ。しかし、それでは、と中国が日本への食料輸出を止めてしまったら。…次々とスーパーの棚から食料品が消えていったらどうだろう。

 もちろん、すぐにそうなることはないとは思いたいが、数年後、数十年後、そうならないという保障はない。

 これを機会にわが国の食料自給率が少しでも上向くことを期待したい。

 例の「タイ米騒動」から十数年がたつ。今の若者は知らないかもしれない。忘れていた人は是非あの年のことも思い出して欲しい。