この週末は先日から書いている専業農家である義父の話(意見)をまとめるエントリーを書くはずなったのだが、前項のようなことで全然予定外の週末となってしまって、すっかり書く気が失せてしまった。それししても書きかけの事柄なので、簡単にまとめてみたい。
連日のように事故米転売のニュースがマスコミをにぎわしている。私には食、それも毎日のように食べている米の安全性を脅かすニュースにゾッとしたもだったのだが、毎日のように野菜相場に目をやっている義父にとっては、それほど想定外のことでもなかったらしい。というのも十年くらい前は堅調だった餅米の相場がここ数年で下落していたからだ。急激に餅米の作付けが増えた感覚もなかったので不思議に思っていたそうだ。
事故米転売に関する餅米の噂 - 山河に在りて
それから実際、毎年新米が出回る時期になると、業者が余った備蓄米を買い取りに来るのだが、義父は直接「オタクの米は新米に混ぜても大丈夫」というような話をされた経験があるらしい。
かつてウチの古米が新米として売られたことがあるらしい - 山河に在りて
結局のところ、米の流通管理というのは大分杜撰なものらしい。米は粒状であるので混ぜようと思えば簡単に混ぜることができる。それゆえに検査体制を整えるべきだったのだが、それを怠ってきたツケが今頃になって顕在化したと見るべきなのかもしれない。
以前のエントリーの中で(事故米転売に関する餅米の噂 - 山河に在りて)、私はうるち米と餅米を見分けることができるのかということを書いたのだが、義父によれば簡単にできるそうである。稲の穂の先に芒(のぎ、義父はノゲと言っていた)という針のような毛が出るのだが、この芒の色がうるち米と餅米で違うのだそうだ。最近は品種改良により以前よりは見分けにくくなって来たそうだが、見慣れた人が見れば簡単に区別がつくそうだ。
米を混ぜた場合も簡単に区別がつくとの話であった。
義父「米を混ぜたって簡単に混ぜたかどうかなんてわかる。米粒というのは品種にのって微妙に形状や色味が違う。違うものが混ざってりゃすぐわかる。」
私「でもどうして、今回の事件なんかではわからなかったんだろう?」
義父「ちゃんと見てなかったんだろうな。牛肉でも野菜でも最近は産地までわかるシステムがあるんだから、米でもそうすりゃ良かったんだよ。それからもっと大事なことがある」
私「何ですか?」
義父「消費者が普段から本物を食べてないってことだろうね。本物を食べている人にはわかるはずだ。普段からまがい物を食べているから、そういう味なんだって思っちゃうんだろうね」
そう言われても、ウチ(農家)のように畑からとれたものをそのまま食べられれば良いが、都会の消費者などは何を信じてよいか困るだろうな。
ありきたりなことかもしれないが、米の流通でも生産者や生産地の情報を添付してトレイサビリティを確立するしかないのだろう。