田舎者Yの日記

定年退職して農業に従事している者のブログ

(海外からスパムコメントが続きましたので、コメントは承認制にします。)

川端康成の『名人』における偶然の一致について

ここのところ毎朝午前3時に起きて農作業をしている。(今はトウモロコシを出荷しているのだが農協との契約で朝採りしないといけない。早朝に始めないと出荷時間に間に合わない😥)そのせいでTV番組を録画してみるクセがついてしまっている。1年以上、未視聴の録画番組もあるくらいだ。ところで今日たまたま録画して見ることができたEテレの「囲碁フォーカス」で、今はプロ棋士を引退されている大竹英雄名誉碁聖が、川端康成の『名人』に登場する引退する最後の世襲制名人秀哉の対戦相手が作中で「大竹」だったことに非常に驚いたという話を大竹先生自身が語っておられた。いち囲碁ファンとして私には非常に興味深いものであった。
実在した最後の世襲制名人、本因坊秀哉の引退碁は1年をかけて行われ、その対戦相手はかつての「怪童丸」こと木谷實だった。川端康成はその引退試合を観戦し、その実体験を元に『名人』を書いたのだった。登場人物はほとんど実名だったが、対戦相手だけは木谷のことを気にされてか、仮名の「大竹」としたのだった。

実は大竹名誉碁聖はその木谷門下で最初にタイトル保持者となる将来有望の棋士だった。私は今まで、それを意識して対戦相手名を木谷の一番弟子といってもよい「大竹」にしたのかと思っていたのだが、『名人』が執筆されたのは大竹が木谷道場に入門する前のことだったのだった。木谷實の門下に大竹なんて方はいない頃に作中の仮名を「大竹」に設定していたのだった!なんという偶然の一致!!
 入門した当時の大竹少年が、木谷先生のところの本棚に川端の『名人』があり、何気なく手に取って読み始めたら作中の本因坊秀哉の対戦相手が(実際は師匠の木谷先生なのに)自分と同姓だったら、そりゃビックリするよね、と思ったのでした。
 
本当に面白い話なんだけど、ネットでは囲碁の話題って注目されることはないんだろうね😥
今の日本の囲碁界もタイトルを独占していたスーパースターの井山裕太さんを若手が徐々に打ち破ってきて、将棋界に負けず劣らず面白いのだけどね。井山さんから棋聖位を奪取した一力遼さんなんて囲碁棋士にして現役の新聞記者という非常にユニークな逸材なんだけどな。

それはそうと、また川端康成の『名人』を読み返してみようかと思ったのでした。