先週突然妹から電話があった。昔は毎日のように喧嘩をしたものだがお互いに家庭を持ち子どもも大きくなると盆と正月くらいにしか会うことはない。妙に懐かしい感じ。聞けば自宅の無線LANに機器が追加できないようだ。お兄ちゃんは「パソコン」に詳しいだろうから手伝ってくれ、という。断る理由はないので引き受けてみた。
追加する機器というのはベネッセで配布しているタブレットだった。説明書を見たがよくできている。しかし無線の暗号キーの入力のところで妹夫婦は悩んでいた。無線ルータ本体の裏面などに暗号キーが書いてある、との説明にルーターをひっくり返していた。どこにも記述はない。
彼らがひっくり返していたのは NTT からたしか借用しているブロードバンド・ルーターのようだ。契約によっては無線ルーターの役目も果たすタイプ。NTTとどういう契約をしたのか、と聞いてもよくわからないとの返事。きっと契約書のようなものが残ってはいるのだろうが、ブロードバンドルーターから有線で何やら球状のものがつながっている。こちらが家庭内LAN用の無線ルーター本体だった。しかし本体には無線キーの記述はなかった。
夫の Windows 7 のノートが無線が使えるというので設定を探し、なんとか暗号キーを探し当てた。ベネッセのタブレットは Android をカスタマイズしたもののようだ。無線の設定を終えて、なんとかウェブへ接続できた。
どうして今回のようなことになったかというと、妹の旦那が PC を買うときに量販店に設定を任せたことに端を発するようだ。無線ルータも量販店のオリジナルブランドのようだ。設定一切を任せてしまったために他のデバイスを追加することができなかったようだ。「おまかせ」にするというのも考えものだなと思った。
それから Windows の無線設定関係の UI のマズさ。これは指摘されても仕方ないとは思う。Windows だけを使っているとなかなか気がつかいないと思うが、Windows の無線デバイスの設定は難しい。Windows 8 になってもあまり改善されていない気がする。基本的に暗号キーを調べるためにはコントロールパネルなどから説明の文字をクリックしてリンクをたどるのだと思うが、この説明文も難解な表現だと私には思える。地元の勉強会でも無線LANが使える場所で行うことがあるのだが設定にとまどうのは大概 Windows ユーザだ。
例えば最近の Linux デスクトップ環境、 Gnome3 や Ubuntu の Unity であれば画面端にネット接続のアイコンがあってそれをクリックすると接続可能な SSID が表示される。そのうちの適切なものをクリックして暗号キーを入力すれば接続できるし、逆に既に接続してあれば「キーを表示」をクリックすると接続用のキーを見ることができる。たしか OSX とほとんど一緒である。(OSX も BSD ベースだしな…というのは適切ではないか?)
実は Windows の設定はよくわからないんだよ、と話をしたら妹からお兄ちゃんは Mac 使ってるの?と聞かれた。いや Linux だよ、と答えたらその場が凍りついたような気がした。この話題はそれきりになった。一般人の Linux の評価なんてこんなものか。
実は妹には内緒だったが、うちにもベネッセのタブレット端末がある。うちの娘がかつてやっていたからだ。うちのは部活や塾で忙しくなりベネッセをやめてしまった。たしかやめるときに端末を数万円で買い取る契約になっていたはず。痛い出費だった。
私も学生時代、Z会の通信添削をやっていて途中でやめた経験がある。だから娘を叱ったりしなかった。血は争えないものだ。