近所にポルトガル語や中国語を話す子どもたちがいるのがきっかけだった。結局ポルトガル語は週に一度の再放送だったので聞かず、代わりにスペイン語講座を聞いてみた。中国語の方は前半はまじめに聞いてみたが後半三カ月ごとに講座が変わり、次第に聞かなくなってしまった。私の不勉強もあって全然会話ができるレベルには到達しなかった。しかし得るものはあったと思う。1年間 NHKラジオ語学講座を聞いてみての感想など。
英語とその他の言語の講座は全然違う
英語のテキストの方が毎月早めに発売するのだが、質量ともに英語の講座の方が豊富にある。英語の講座は通常通年構成で日本人の講師と英語話者も男女のペアで最低3人の講師だが、他の言語は日本人講師とその言語話者の二人だけという講座も少なくない。しかも講座が半年切り替えで、毎週1週間のうちに入門編と応用編を放送する。私が聞いていたスペイン語講座は月曜から木曜までの週4日が入門編。放送時間が近いので聞いていたがフランス語講座は入門編は月から水までの週3日、しかも半年で内容が変わる。中国語、ハングル講座は講師が3人で講座数も多いが、やはり基本的に講座内容が半年切り替えだ。4月に聞き始めて9月にはまた同じようなことの繰り返しだ。学習する内容が英語と比べて圧倒的に少ない。年度途中でも始められる利点はあるが、ちょっと物足りない感じはする。
テキストがたまる
これは4月当初には考えつかなかった。特に私はスペイン語と中国語の両方を購読していたからみるみるテキストがたまっていった。また再放送があるようなので保管しておきたい。そういえば講座の途中で講師がよく「テキストがある人は…」と言っていた。その言語の基本を知っている方はテキストなしで聞くことも可能か。ボケ防止にこれから聞きつづけるのもよいかも。
ネットで視聴できる
今 NHK はインターネットでも講座内容を配信している。無料のユーザ登録で一週間分をまとめて聞けるので非常に助かる。音質もクリアなのでラジオで聞くよりも微妙な発音の違いを聞き分けることもできた。よく聞いていると音質が変わるところがあることに気づいた。おそらく部分的に収録をやり直している場合もあるのかもしれない。
講師はいろいろ工夫している
英語以外は講座内容が半年で変わり(3ヶ月の四半期で変わる講座もある)、同じ言語を教えるのにもポリシーが違うとこうも内容が変わるのかと関心した。
NHK語学講座の講師のほとんどは大学の先生だ。おそらく最近は大学の先生も忙しくなっているようなので講師確保が難しいのだろうな、と想像した。だから四半期の講座などがあるのではないだろうか。
私は通勤のクルマのラジオでだらだらと購読している以外の語学講座も聞いているのだが、個人的には文法事項の基本的なものをきちんと解説してくれる講座の方が好きだ。私が古い考えの人間なのかもしれないが、週に数回の講座では文法を抑えないと次々に講座内容がジャンプアップしてしまうので理解に苦しむことがあることが最大の理由だ。特に各語学講座の入門編の最後の2ヶ月は内容の難易度が急に上がるような気がする。
テキストを見ないこと
私は基本的に通勤のクルマで聞いているのであまりテキストは見ない(信号待ちでテキストのチラ見はする)。音だけ聞いていると全然わからない。余裕があれば放送の前にテキストの予習をするのだが、できないときは全然何をしゃべっているのか聞き取れない。仕方なくネット放送で復習するのだが、1年を振り返ってみると音だけ最初に聞いたほうが定着しているような気もする。このやり方をもう少し続けてみたい。
ラジオ講座だけでは不十分だが…
最初に書いたように会話ができるレベルまで私は到達しなかった。時間数も少ないのでラジオ講座だけでは不十分だ。自分で語彙を増やす努力やその言語で作文などをしないとダメかも。しかし国柄はよくわかる。日本人講師と外国人の先生の何気ない会話にその言語を話す方達の特徴や性格がよく表れる。
私にとってはたまたま聞いたスペイン語が非常に気に入った。巻き舌のRはやや発音しにくいがそれ以外は母音がはっきりして非常に発音しやすい。また基本的に主語が省略され、言葉の意味を前後で文脈で推察するところもある点なども何となく日本語と似ているような気がする。いつかはスペインにも行ってみたい。逆に中国語は難易度が高い印象だ。なまじ漢字が共通なので(もちろん字形などは異なるが)意味がわかりにくい面がある。来年再挑戦したい。
いずれにしてもしばらくはNHK語学講座を聞きつづけようと思う。結構おもしろい実益を兼ねた趣味になりそうだ。