朝夕の通勤時間帯、私はNHKラジオによってニュースやその解説を聞くことが多い。(以前はJ-Wave一辺倒だったが、ジョン・カビラでなくなってからあまり聞かない。別所さんんも悪くはないのだけれど…)
NHKはときどき鳥インフルエンザの話題を取り上げる。現在は鳥だけにとどまっているが将来はヒトに転移するようになるのか、そうなった場合、一般市民は何をすべきなのか、等々である。
ヒトへの転移は「時間の問題」としてとらえている専門家が多いそうである。それから一般市民レベルでは特に準備することはない。せいぜい、うがい手洗の励行とアウトブレーク時は外出を控えることくらいらしい。米国では一般市民向けの注意を呼びかけている州もあるそうだ。一週間近くは家に閉じこもっていられるような食糧の備蓄を呼びかけているらしい。
この冬、私はインフルエンザにかかりタミフルを服用した。私の場合は特に異常と感じられることもなく薬がよく効いた。政府が鳥インフルエンザに備えてタミフルの備蓄をするのももっともなことだと思っていた。WHOでも認められている薬でもあるそうだ。最近のタミフル批判はやりすぎでは…と内心思っていた。
以前に拙ブログにコメントをいただいたid:fujioiknさんの「たまご屋おやじの独り言」のエントリー「鳥インフルエンザと新型インフルエンザ」で紹介されていた、京都大学の美馬達哉教授の「鳥インフルエンザが恐れられるのはなぜかー作られた恐怖がパニックを招く」を読んで段々と私も考えが変わってきた。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/v/01/index.html
特に美馬達哉教授のコラムの次の部分は私にとって意外というか、なるほどと思った。
将来、この鳥インフルエンザのウイルスが突然変異して人間から人間に感染するようになるかどうか。そして、たとえそう突然変異した場合でも同じような強い毒性を保ったままかどうかということは予測できないことである。
このことを逆に言えば、鳥類での大流行がなかったとしても、突然変異によって人間に感染するインフルエンザとして大流行する場合があるということになる。先に紹介したスペイン風邪の場合はこれにあたっている。一般的な鳥インフルエンザのウイルスが、鳥類での大流行を引き起こすことなく、豚に感染して突然変異が起き、人間での大流行を引き起こしたと推測されているからだ。他の動物は無視して鳥類だけを、しかも鳥類での大流行だけを心配するというのは危機管理としてあまりにも杜撰(ずさん)である。
最近のタミフル製造会社から政治家への献金の報道などとも合わせると、国の新型インフルエンザ対策に疑念が湧く。