前々回に引き続きお恥ずかしい話だが、私は首相官邸のメールマガジンを購読してしるが、目を通したのは2回くらい。ほとんど読まずにメーラーで既読にしている。その最新号で防衛大 五百旗頭真(いおきべ まこと)校長が首相による靖国参拝を批判しているというので読んでみた。
五百旗頭氏による小泉政権の5年間の総括という内容であった。概ね小泉政権を高く評価するが、外向だけはどうかな…というような内容だ、と私は読んだ。バランス感覚のある、共感できる内容だと思う。このような論文が首相官邸のメルマガに載る事自体、政権の健全さを示すと思う。
しかし個人的に気になる部分もある。
侵略戦争を行ったうえ敗北した日本に対する不信は、世界に、とりわけアジアに根深かった。しかし戦後日本は平和的発展主義をとり、世界で最も格差の少ない豊かな社会を築いた。さらに民主主義社会を確立し、そして途上国の国づくりへの協力を重ねた。これを見て、世界は日本を信認するようになった。
東南アジアは90年代には日本の友人となった。難しかった韓国との間も、金大中−小渕恵三の時代に転機を迎えた。江沢民の中国はもっとも厄介であったが、それでも世紀転換期には日本重視路線に転じた。
しかし、江沢民は日本重視路線の裏で何をやってきたか。それを私を含む日本の一般大衆の前にさらけ出したのが昨年の反日デモであった。今や日本国民の過半数近くが中国に対して不信感を抱くようになった。
そんな相手でも無視できない超大国であることが日本の外交の難しいところなのだろう。五百旗頭氏も承知の上で、あえてメルマガには書かなかったのでは、と私は思いたい。
以下の部分はなるほど、と思った。
小泉外交は戦後日本になかった「リスクをとる外交」である。首相自らがあの北朝鮮を訪問し、拉致を認めさせ、問題解決の大筋を共同声明に示す大業は、小泉以外の誰にもできなかったであろう。
↑禿同
しかし、軍事評論家の佐藤守氏は五百旗頭氏の寄稿を論評するのだろうか…。