専業農家である義理の父の家に同居している。田舎の農家なので時折、外国人に手伝ってもらうことがある。私が住む深谷市を舞台とした映画「SRサイタマノラッパー」では中国人労働者が登場するが、うちの近所ではミャンマーの方が数多く住んでいる。今はうちにミャンマー人が二人来ている。
彼らは連休中に東京に行ってきたようなのだがおみやげに都内でミャンマーのビールを買ってきてくれた。私もご相伴にあずかった。
酒豪で酒好きの義父は味はイマイチと言っていた。私にとってはドンピシャ、非常に飲みやすくおいしいと感じた。
缶に印刷された情報によると、原材料は日本のビールと同じく、麦とホップの他に「米」が添加してあるようだ。しかもややホップの成分が若干少ない感じがする。苦味を抑えたスーパードライとでもいった感じだ。苦味がすくなくスーッと喉に入る感覚である。
はるか昔、都内でドイツビールを飲んだことがあったが私には「重い」感じがした。本場ドイツのビールとミャンマーのビールは全然違う。ミャンマーのものはどちらかというと日本のものに近い味だ。
お酒を飲み慣れない私がうまいと思うのだから、きっとビール通の方には物足りなく思うだろう。なのでそういう方にはおすすめしないが、ビールに飲み慣れていない方には苦味がすくなくさっぱりした味わいはウケるのではないかと個人的には思う。
ところでうちの近所のミャンマーの方たちはよく都内に出かける。現ミャンマー軍事政権に反対するデモがあるからだ、と片言の日本語で彼らから聞いた。どうもデモに参加すると何らかの書類が配布されるらしい(参加証だろうか?)。それを持っていると日本への滞在延長が認められやすいのだとのこと。(片言の日本語なのでよくわからないのだが、十中八九そういうことのようだ)
彼らの一人は少ない収入の中で毎月8万円も祖国へ送金しているらしい。
私の知っているあるブラジル人の家族は原発事故の影響を恐れて帰国してしまった。ミャンマー人の彼に、国に帰りたくないですか、と聞くと、彼は笑いながら「でもワタシかえると殺される」と手でピストルの形を作って大笑いした。私も釣られて笑ったのだが、冷静に考えると非常に悲惨な話だ。現政権が変わらないかぎりは帰国できない。きっと帰国は二度と…
その彼が大好きなのがかりん糖。どうやらミャンマーにも同じお菓子があるらしい。おそらくは戦前戦中に日本から製法技術が伝わったのではないだろうか。
ミャンマーといえば旧名称はビルマ。ビルマといえば何と行っても日本人である私には「ビルマの竪琴」だ。
今度、市川崑監督の「ビルマの竪琴」のビデオでも借りてみようか。
ちょっといい歳のオヤジが大泣きしそうでこわいのだが。
(追記)
ミャンマーのビールを扱っているのは藤江商会というさいたま市内の会社であった。なんと中古バイクも扱っているようだ。行ってみたい。