田舎者Yの日記

定年退職して農業に従事している者のブログ

(海外からスパムコメントが続きましたので、コメントは承認制にします。)

OEMが原義とは異なって用いられる件(ついでに軽自動車にOEM生産が多い件)

 ブログを書く元気がすっかりなくなってしまったのだが、以前だったら職場の同僚と気軽に雑談してきたようなことが今はできないので(定年退職して農業を手伝っているのだが、農家のジジババを相手に話しても共感してもらえない😅)とりとめもないことだが少しブログに書いてみようと思った。知っている人には当たり前のことだが、興味を少しでも持ってもらえたら幸いである。

 

 わけあって最近私の自家用車をスズキのハスラー(MR92S)に乗り換えたのだが、ハスラーとそっくりでマツダのエンブレムを付けた車をみかけることがある。調べてみると「フレアクロスオーバー」という車種でやはりスズキのOEM供給であった。

www.suzuki.co.jp

www.mazda.co.jp

 OEMって私にとってはよく耳にする言葉なのだが、日本語では通常「相手先ブランド名製造」とか訳される用語のようだ。先の例でいえば、スズキが、車両をマツダのフレアクロスオーバーというブランド名で製造して供給しているというわけだ。しかしOEMって何の略だったか、なかなか思い出せない。以前気になって調べたことがあったのだがすぐに忘れてしまう。

 

 Orignal Equipment Manufacturer これが OEM の元の言葉である。私の拙訳では「オリジナル機器製造者」あるいは「純正品製造者」くらいか。日本語の「相手先ブランド名製造」とは異なる印象を持つ。用語の最後の Manufacturer を Manufacturing に代えて「純正品を製造すること」にすると、少しは「相手先ブランド名製造」に近づく印象を受けるが、それにしても「相手先」というニュアンスが元の言葉にはないと思われる。個人的にはこの違いが元の言葉をすぐに忘れてしまう原因だったような気がする。

 

 OEMの原義はあくまで供給を受けている側から見た用語であって、受給側を主語として「ウチ(マツダ)の車(フレアクロスオーバー)のOEMはスズキなんですよ」という表現に使うべきであって、「スズキがマツダOEM供給している」という表現はOEMの使い方としては多少問題があるように個人的には思う。ただし私の目に触れる範囲では、後者のような供給(製造)側を主語とする用語の使い方が圧倒的に多い。偉そうに書いたが、私はことのとを Wikipedia の記事で知った。やはりOEMの用語の仕様には英語圏でも意味のゆらぎがありようにみられる。

 

OEM - Wikipedia

英語の原義では、知的財産権(IP)を有する自社製品を製造する事業者(manufactur)のことを意味するものである。英語圏においても他社ブランド製品の製造ないしは他社製品の自社ブランドでの販売を行う企業という意味でも使用される

 

 さて冒頭にも書いたように自分の軽自動車でOEMによる車両の存在に気づいたのだが、よくよく周りを見渡してみるとOEM供給の車種は多い。ウチの軽トラはスバル・サンバーなのだが今はダイハツによるOEM供給である。
 なぜ軽自動車にOEMが多いのか。下記の記事に詳しいので、そちらを読んでもらったほうが良いのだが、要するに軽自動車の製造販売はコストを価格転嫁しにくいので薄利多売するしかない、軽自動車製造をやめてもユーザとの付き合いなどもあって車両ブランドをなくすわけにはいかないという事情があるそうだ。既にスバルやマツダは軽自動車製造をやめている。

www.webcartop.jp

 

 私はどちらかといえばクルマ好きの方だと思うが、近所の人と話しているとOEMに気がついていなく、なんとなく似ている車があるな、くらいに感じている方も少なくないようだ。メーカーとしては色々とメリットがあるからOEMが多いのだろうが、「オリジナルの」車が少なくなっているという面ではいち自動車ファンとしては残念である。
 というか世界的な「EVシフト」の中で日本のメーカーやそれを支える関連業界がそうなっていくか、先行きがかなり不安に思っている今日この頃である。