たまにスライドを使って人前で説明(プレゼンテーション)することがある。何度やっても発表は苦手である。小江戸らぐの集まりでブラウザで発表をしている方がいた。そういえば以前、東京のオープンソース・カンファレンスでも同じように発表している方がいた。
ずっと不思議に思っていた、パワーポイントを使わずにどうしてスライド・ショーができるのだろう、と。検索してみると、HTML と CSS を組み合わせてスライドショーを実現できるようであった。
最初、検索で見つけたのは W3C による "SLIDY" というツールであった。しかし使い方がよくわからない。
いろいろと探してみて、Eric A. Meyer という方が作った "S5" というものを見つけた。要はスライドショーが実行できる HTML の雛形と CSS、java script のセットである。”Simple Standards-Based Slide Show System" で S5 というネーミングということだ。以下のサイトから zip としてダウンロードできる。
S5: A Simple Standards-Based Slide Show System
しかし、当初は全然使い方がわからなかった。以下のページが日本語で詳しく解説してある。ありがたい。私にも何とかスライドを作成することができた。
ところで、Meyer さんのサイトには S5 のいくつかのテーマが載っている。デザインをいくつか選べるようになっているのだが、この記事を書いている時点でリンクが切れているような気がする。私は以下のサイトからいくつかのテーマをダウンロードした。
http://people.debian.org/~madduck/talks/s5-themes/
HTML や CSS が分かっている人はデザインを自分流に変更できるのだろうが、私はよくわからないので、変更せずに使ってみた。いろいろ試してみてデフォルトの貝の背景のもの(Nautilus というのかな)が気に入った。
PowrPoint ほど多機能ではないし、デザインも限定されるが、ブラウザだけでスライドショーが展開できるのは、すばらしい。たまに講演会などで、パワポでスライドを作ってきたは良いがバージョンが違うので予想した通りに動かない、といった例に出くわすことがある。私は Linux のオープン・オフィスでスライドを作ることもあるが、オープン・オフィスでもバージョンによりデザインが変わってしまうことがあった。
S5 の場合、ブラウザによって多少レイアウトなどが変わることもあるが、概ね同じように実行できた。これはすごい。PCには絶対と言って良いほどブラウザはあるので、大概の環境でスライドショーを実行できる。実質無料で作れるのでお財布にもやさしい。データ量も少なくてすむので、持ち運びにも便利である。ブラウザなので起動も一瞬ですむ。唯一の欠点は素人にはデザインを簡単に変更できないということや多彩なアニメーション効果がないということか。しかし凝った動きは邪道と思っている私にはこれで十分である。いや十分すぎる。
これからスライドはこの S5 で作っていきたい。