田舎者Yの日記

定年退職して農業に従事している者のブログ

(海外からスパムコメントが続きましたので、コメントは承認制にします。)

ドコモのトラブルにPC黎明期を思い出した

 日本一の携帯会社 NTTdocomo が相次ぐトラブルに見舞われている。一連のトラブルにPC黎明期の頃の日本のメーカことを思い出した。

 発端は昨年末の12月20日、ドコモのスマートフォン向けサービスでメールの送受信にトラブルが発生したことだった。送信の際、他人のメールアドレスと置き換わって送信されてしまうといった問題だった。

ドコモがspモードの不具合について詳細を報告 のべ1万人以上が影響を受ける - ITmedia +D モバイル

NTTドコモは、12月20日に発生したspモードサービスの不具合について、のべ1万人以上のユーザーが影響を受けたと発表した。対象ユーザーには、サービスの一時停止に伴う料金返還で対応する。

 spモードについては、12月20日に起こった通信障害が原因でユーザー管理用のサーバーに輻輳が発生。その結果、スマートフォンの電話番号とIPアドレスの関連付けにアンマッチ(不符号)が起こり、IPアドレスに関連付けされたメールアドレスの一部が、別のメールアドレスに置き換えられるなどした。


 私は素人の門外漢なのだが電話番号とIPアドレスに関連付けていること自体信じられない。携帯電話などのIPアドレスは可変のはずたと思っていたからだ。
 専門家からの詳しい解説もある。
高木浩光@自宅の日記 - spモードはなぜIPアドレスに頼らざるを得なかったか, spモード利用者へ注意喚起:信用できない人にテザリング接続させない。「ネ..

 私には専門的なことはわからないのだが以下の一節が気になる。

いったいどうやって実現しているのだろう? 最初に読んだときは「そんなことできるわけがない」と思ったが、上で検討したように、何か方法はあるのかもしれない。

ところが、既に、この「ドコモ独自のサービスアプリ認証」を解析し、spモードメール互換のアプリを開発した人がいる。

先日、その方からメールを頂き、「ドコモ独自のサービスアプリ認証」がどういう手順のものか、詳細情報を教わった。
 (中略)
要するに、「ドコモ独自のサービスアプリ認証」なるものは、Winnyプロトコル並の難読化にすぎない。

正直、呆れた。この一点だけとってみても、docomoが、アーキテクチャ設計において、セキュリティレビューを受けていないことがわかる。


 またこれとは別に同じspモードでメールが一時的に送受信できなくなるトラブルが発生した。
ドコモspモード またトラブル NHKニュース

メールアドレスが勝手に別の人のものと置き換わるなどのトラブルが起きたばかりのNTTドコモのスマートフォン向けのインターネット接続サービスで、今度はメールの送受信がうまくできなくなるトラブルが断続的に発生し、会社側で詳しい原因を調べています。
NTTドコモによりますと、1日午後9時半ごろ、スマートフォン向けのインターネット接続サービス「spモード」で、メールの送受信がうまくできなくなりました。このトラブルは、午後10時半すぎにいったん解消したものの、午後11時すぎに再発しました。復旧作業を進めた結果、会社側では、2日午前0時45分ごろまでに回復したとしています。
(以下略)


 当然ユーザのNTTdocomoへ向ける眼差しは厳しくなる。このタイミングで公開されたのか以下のインタビュー記事である。
新春インタビュー:新たな付加価値と事業創造で「ダムパイプ」にはならない――NTTドコモ 辻村副社長に聞く (後編) (1/3) - ITmedia +D モバイル

―― セキュリティ以外の課題ですと、最近顕在化してきたものに「Googleアカウントの管理問題」があります。

 これまでケータイしか使わず、PCもあまり使っていない人だと、Googleアカウントの利用や管理が大きなハードルになってしまっています。特に問題なのが、お客様がGoogleアカウントを忘れてしまった時です。従来のネットワーク暗証番号やiモード暗証番号は、本人確認が取れればドコモショップで再設定してもらえましたが、Googleアカウントを忘れてしまうとキャリアではサポートしきれない。しかもGoogleは対面サポート拠点はもちろん、電話でのサポート窓口すら用意していないので、PCが使えない人がGoogleアカウントの設定を忘れてしまうと、お手上げになってしまうわけです。この問題は今後、Androidスマートフォンのユーザーが増えるほどに深刻なものになっていくことが予想されます。

辻村氏 Googleアカウントのサポートに関しても、重要な問題として認識しています。実際、いくつかの対策を考えています。

 1つは「Googleアカウントを使わない方式」でAndroidスマートフォンを使っていただくというものです。これだとGmailGoogle MapsなどGoogleのサービスは利用できなくなってしまいますが、ドコモでもspモードメールや地図アプリなど類似のサービスは用意しています。ですから、Googleアカウントを使わないAndroidスマートフォンにも可能性があります。

 Google 社の Android をベースにスマホを作っているのによくまぁここまで言えるものです。案の定 2ch でも叩かれています。
ANDROID ch. : ドコモ副社長「Androidは安全ではない。Googleアカウントを作らずにドコモのサービスを使うという対策もある」


たしかに Google アカウントの管理問題はユーザ側の問題でしょう。でもユーザが忘れてしまったら自己責任ではないでしょうか?パスワードの管理もできない人に無理にスマホを使ってもらわなくても良いのでは?

 ユーザ数国内一位の docomo にはそんな「無責任」なことは言えなかったのでしょう。そこでいろいろと工夫をしたのだと思いますが、それは根本的にボタンの掛け違いをしていると思います。アカウントの管理は自己責任だと顧客に言えないことの方が非常に問題ではないかと個人的には思わずにいられません。

 ユーザのパスワードを平文で保存している会社は根本的にセキュリティに対する考えが間違っている、と素人ながらに思います。
高木浩光@自宅の日記 - docomo IDを作ると生でパスワードを保管されてしまう, 日本の携帯電話はいつになったらアドレスバーを付けてくれるの?


 現在の docomo を見ていると PC 黎明期の NEC を思い出します。Microsoft Windows が発売される以前 MS-DOSCP/M を制して世の PC 席巻し始めた頃、ソフトウェアはかなりハードウェアに依ってました。NEC 98シリーズ用のアプリケーションは他社の PC では動作しませんでした。(一時期 EPSON が 98互換機を開発・販売してました)当時の NEC は PC の分野での市場占有率が非常に高かったと記憶しています。

 それが DOS/V から Windows となり、OS が Windows であれば例え外国製のPCであってもソフトウェアが動作するという今日では当たり前のことが実現するようになりました。その後の NEC の市場占有率の凋落はご覧の通り。(でも国産機に限れば NEC は今でも大手でしょう。)


 かつて Microsoft Windows が広まったことが携帯の分野でも起こりつつあるのは誰の目にも明らかでしょう。
 ガラパゴスと揶揄されるような独自仕様には未来がないでしょう。是非 docomo には思い切った路線変更を望みたいものです。素人の考えなのでそう急には変化しないでしょうけど。でもこのままではユーザ数の更なる減少は避けられないのではないでしょうか。