菜の花や 月は東に 日は西に
与謝蕪村の句である。今朝の5時に恒例の週末の散歩に出たとき、ちょうどこの逆であった。西に月が傾きかけていて、日は東から登ろうとしていた。菜の花は思ったよりも背が高くなっており桜の木はほぼ満開。よくみるとまだ咲いていないツボミもある。
布団の中ではそれほどでもなかったが、畑へ出るとヒバリのさえずりとウグイスの鳴声がよく聞こえる。いや聞こえるなんてもんではない、むしろウルサイくらいだ。
小川では鴨(おそらくマガモ)が三羽列をなして泳いでいた。おそらく親鳥とこの春生まれた子であろう。キジもあちこちで鳴いている。岡部チサンカントリークラブのまわりを遠回りに一周するのだが、キジの声が聞こえるところは季節によって若干変動しているような気がする。傾斜地よりも平らな休耕田のヤブの周辺でキジがよく鳴いている。
私の散歩コースは畑から里山を抜ける道へと続く。山のヤブでは例年コジュケイがよく鳴いている。今はコジュケイの声はほとんどしない。まだ彼らの繁殖期ではないようだ。
バードウォッチングというが、山で裸眼で鳥を探すのはむずかしい。むしろその鳴声を覚えていったほうが楽しいかもしれない。残念ながら私は定番の鳥の鳴声しかわからない。シジュウカラやゴジュウカラなとのカラ類も鳴いていると思われるのだが、全然区別がつかない。
私が散歩していると必ず不思議な抑揚の鳴声が聞こえる。ウェブで野鳥の鳴声を公開しているサイトがあるので調べてみたが、サンコウチョウではないようだ。イカルの鳴声のような気がするのだが、サンプル音と違うような気もする。とにかく姿は見えぬが不思議な声がこだましている。1時間半にもおよぶ散歩でちょっと疲れるのだが、これを聞くだけでも歩く価値がある。
今朝はゴルフ場から不思議な音が聞こえてきた。最初は何の音かまったくわからなかった。耳をすましてはじめて打音が短い周期で連続しているのだと気がついた。
キツツキであった。キツツキが木をたたくことをドラミングというらしい。
キツツキのドラミングを自宅周辺で聞いたのは、引っ越してから3年目ではじめてのことであった。