私の知人で、 Rapberry Pi 2 を Windows 10 で起動できない(SDカードにインストールできない)と言っている方がいた。たしかに今日ウェブ検索してみたら日本語の解説では今年の5月の段階の、Windows 10 正式リリース前の記事が検索上位に表示されるようだ。どうも最新の情報ではないようだ。
私は以下の Microsoft 自身による解説に従ったらできたので、この通りやってみたらと知人に伝えたら、英語がよくわからないとのこと。そこで試しに簡単に抄訳(あるいは自己解釈による意訳)してみる。
ただし、この手の情報はすぐ古くなってしまうので、検索サイトからこの私の記事をご覧になった方は最新の情報に注意されたい。また私の知人は勘違いしていないと思うが、Raspberry Pi 2 を起動する Windows は Windows 10 IoT である。'Embedded'の流れをくむ組み込み系のそれである。デスクトップのある通常の Windows ではないので、これまた注意されたい。私のような開発経験のない一般ユーザは無理してこれを使うのではなく、 Raspbian や 私の前回の記事の Ubuntu MATE を使ったほうがより幸せに Pi 2 を使えるのではないかと、個人的には思っている。
【PCを設定する】
- 使用している PC が Windows 10 (バージョン 10,0,10240)以降であることを確認する。
(スタートボタンをクリックして winver とコマンドを入力して Enter を押下するとバージョンが確認できる) - Visual Studio 2015 をインストールする。(MSのサイトによれば) Visual Studio Comunity Edition を推奨する。
- インストールに際してはカスタムインストールを選択し、「ユニバーサル Windows アプリ開発ツール」→「Tools と Windows SDK」にチェックを入れること。
- 次に「Windows IoT Core Project Templetes」をインストールする。こちらからダウンロードできるが、Visual Studio 2015 のメニューバーで「ツール」→「拡張機能と更新プログラム」→「オンライン」でも「Windows IoT Core Project Templetes」を検索できる。
- 開発者モードを有効にする。
Windows 10 でスタートメニューの「設定」をクリック。続いて「更新とセキュリティ」をクリック。画面左にある「開発者向け」をクリックし、「開発者モード」にチェックを入れる。 - Visual Studio 2015 を起動し新しいプロジェクトを作成する。
メニューバーから「ファイル」→「新規作成」→「プロジェクト」を選択。開いたウィンドウの左側で「テンプレート」→「Visual C#」→「Windows」→「ユニバーサル」→「空白のアプリ(ユニバーサル Windows)」を選択する。
【デバイスの設定】
Pi 2 の利用に必要なものを揃える。
- Windows 10 が走っているPC (既に前段で用意済み)
- Raspberry Pi 2
- 5V micro USB 接続の電源
- 8GB(以上) の micro SD カード
- HDMI ケーブルとモニター
- イーサネット・ケーブル
(私が試した範囲では、Windows 10 IoT から起動すると無線デバイスは認識しなかった) - micro SDカード・リーダー
以下の手順で Windows 10 IoT Core tools をインストールする。
- Windows 10 IoT Core tools のイメージ(iso)をこちらからダウンロードする。
- ダウンロードした iso ファイルをエクスプローラ上でダブルクリックすると自動的に仮想ドライブとしてマウントされる。
- その仮想ドライブの中に "Windows_10_IoT_Core_RPi2.msi"が表示されるので、それをダブルクリックしてインストールする。
インストール後、 C:\Program Files (x86)\Microsoft IoT\FFU\RaspberryPi2 のディレクトリに "flash,ffu" があるはずなので確認しておく。このファイルを後ほど使用する。 - エクスプローラで先ほどマウントした仮想ドライブを右クリックして「取り出し」をクリックする。ドライブがアンマウントされる。
SDカードに Windows 10 IoT Core のイメージを導入する。
- PC に接続されたカードリーダに micro SD カードを挿入する。
(カードの中身は消去されるので注意) - PC のデスクトップのスタートボタンをクリック。スタートメニューで"WindowsIoT"とタイプすると関連事項の候補が表示されるが、その中で "WindowsIoTImageHelper" を選んでクリックし、起動させる。
- SDカードは通常の環境では正しく認識されるのではないか。イメージ(.ffu)は先ほどのもの "C:\Program Files (x86)\Microsoft IoT\FFU\RaspberryPi2\flash.ffu"を参照して選択し、ウィンドウの「Flash」のボタンをクリックする。しばらく待てば SD カードへのインストールが完了する。
あとは、この SD カードを Rapberry Pi 2 に挿入して通常通りコード類を接続して起動するだけである。それから先はネットワークを介してアプリを「開発」していくのだが、これ以降は私も経験していないので割愛させていただく。
繰り返しになるが、私の知人は Pi 2 を Windows 10 で操作することに非常に期待しているようだが、私にはかなり面倒な気がしてならない。したがって私が Windows 10 でアプリ開発の真似ごとをするのは当分先のことだと思っている。