地域で子どもたちを対象に柔道教室を運営する方々と飲む機会があった。ちょうど全日本女子柔道強化選手によるJOCへの提訴があった後だったので、沈痛な面持ちで会が始まった。
参加者の中に全国大会へ出場された方がいた。おそらくオリンピック選手の選考対象にもなった方だと思う。酔っ払ってよく覚えていないのだが、その方の話が印象的であった。
その方が言うのには、ちょっとした殴る蹴るは当時の男子柔道では日常茶飯事だった、しかしケガをするほどまでの例は耳にしたことがない、とのこと。男子の監督が女子選手を指導する際は気を使う、意思疎通がうまく行かないと総スカンを食う、今回の背景にはそういうことがあったのではないか。今回の件は全柔連の指導部内での確執もあるのではないか、とのことであった。
かつて全柔連を巡ってはいろいろと問題があった。監督人事などには微妙な問題があって、まだ対立関係が少し残っているのではないかとの見方だった。憶測の域を出ないのでほとんど世間で話題になることはないようだが。
東海大学・日本体育大学・国士舘大学・天理大学等をオピニオンリーダーとする全日本学生柔道連盟(学柔連)と講道館(東京教育大学(現筑波大学)等)の対立は政界をも巻き込み、1983年あたりから長く続いた。学士インテリ対町道場主&骨接ぎとも揶揄された。
私は70年代後半に柔道の指導を受け何とか段位を取得した。幸いなことに一度も体罰を受けたことはなかった。今は亡きお師匠さんに感謝している。