どくとるマンボウこと作家で精神科医でもあった北杜夫さんが亡くなった。今年は私が知っている方がよく亡くなる年だ。それだけ自分も年をとったということか。かく言う私もいずれは鬼籍に…。
私が中高生の頃、北杜夫さんはベストセラー作家だった。最近の人は「どくとるマンボウ」といってもピンと来ない人も少なくないだろう。氏の好敵手であった狐狸庵先生こと遠藤周作氏もとうにお亡くなりになったし、昭和がだんだんと遠くなる感じがする。
「夜と霧の隅で」、「怪盗ジバゴ」、「あくびノオト」、「どくとるマンボウ昆虫記」、「船乗りクプクプの冒険」、「奇病連盟」、「少年」、「さびしい王様」…いろいろと読んだ。
私の一番のお気に入りは「どくとるマンボウ青春期」だった。父、斉藤茂吉の死に駆けつけた北杜夫に当時は兄で医者の卵であった斉藤茂太氏が「ゲシュトルベン(gestorben)」とドイツ語でその最期を告げたシーンが妙に印象に残った。
どくとるマンボウもゲシュトルベンされたのですね。感謝とともに哀悼の意を表します。