田舎者Yの日記

定年退職して農業に従事している者のブログ

(海外からスパムコメントが続きましたので、しばらくコメントは承認制にします。)

新車国内販売の不振

 ウェブ検索をしていて(個人的には「ネットサーフィン」って言葉が好きなのだが、イマドキ恥ずかしいので使わないことにする)、ニュースを眺めていると「あれ、これどこかで見たな」という感じに襲われる。デジャヴ(既視感)ではなく本当に以前に読んだことのある事例がほとんどだ。新聞やTVニュースを欠かさず見ていた頃は、記者さんたちは事件・事象を同時に、即時に報道しているのだな、と思って重複した内容の報道があってもさほど気にならなかったが、最近は「これ、前のアレのネタじゃないの?」「ネットで仕入れたネタだな。ちゃんと自分で調べてくれよ…」と記者に対して不満を抱くことがある。記者の取材力が落ちたのではなく、ネットの普及によって個人の情報検索力が、時にはプロである記者のそれを凌駕してしまうのだろう。まったくブンヤさんにとってはやりづらい時代だ。


 前置きが長くなった。昨日Yahoo! Japanの一面に載っていた「新車が売れなくなったのはなぜ?」には冒頭に述べたような「どこかで見た感じ」がつきまとった。クルマ好きとして自分で少し調べてみたw


Yahoo! Japan の記事はトップから外れてしまった。元ネタは下記の毎日新聞社のものらしい。

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20070506k0000m020050000c.html
「新車販売:国内で不振 売れなくなったのはなぜ?」 2007年5月5日


上記の記事は、デジタル家電に人気が集中し、維持費のかかるクルマは新車購入をあきらめて(あるいは持たないようにして)いる、と結論づけている。メーカーは「当面の対策でなく、中長期に考えないといけない。商品開発でも、顧客全般をターゲットにして作るのでなく、男女、若者、中高年と、より絞って考えることも必要だ」という張富士夫(日本自動車工業会・トヨタ自動車)会長の言葉で締めている。


 私の拙い検索力では、ここら辺から始まっている話かと思う。

http://response.jp/issue/2007/0226/article91942_1.html
「『新車が売れないのは商品が悪い』小栗自販連会長」 2007年2月26日


 もうちょっと細かい分析がこちら。

http://response.jp/issue/2007/0309/article92363_1.html
「若者のクルマ離れ…都会で売れない」 2007年3月9日


 上記の「若者のクルマ離れ」の記事の分析が的を射ていると思う。たしか前にも引用したと思うが、また引用させてもらう。

若者層のマーケティング調査機関であるM1・F1総研(Media Shakers運営)は、第2回分析レポート『若者のクルマ離れに関する検証』を発行した。M1層・F1層とはテレビ視聴率集計区分で、男性20−34歳をM1層、女性20− 34歳をF1層と呼ぶ。

「車を欲しいと思わない」M1・F1層の理由
1位…今の生活では特に必要性を感じないから(74.1%)
2位…車の維持費・税金が高いから(52.0%)
3位…他の交通機関で事が足りているから(51.9%)
4位…車以外のものにお金をかけたいから(43.9%)
5位…車本体を買う金銭的余裕がないから(36.9%)


 ちなみに田舎でも新車が売れていない。うちの職場では中古車に乗り換えた人が複数いた。十数年前の田舎だったら「なんで中古なんて買うの?」とまわりから言われたものだ。中古車を買うことに抵抗がなくなったことも新車が売れないことの理由の一つではないだろうか。中古の品質が十分に良くなったというか、クルマの基本性能が十分な領域に達してしまったのではないか。

 以前だったら新車が発表されると田舎でも数ヶ月あとには道で新型モデルを見かけた。クルマがモデルチェンジごとに良くなっているのも実感できた。しかし今は違う。たしかに新車の性能は良くなり続けていると思うが、100万円(あるいは50万円)以下でそこそこ走るクルマが手に入る。如何にコストダウンしても50万円以下では新車は作れまい。


 何回も同じようなニュースが出る、ということは自動車業界は本当にピンチなのだなということの証なのかもしれない。


 結局は代替エネルギーの開発、ここに行き着くのではないだろうか。

 ガソリン以外で走るクルマ、そしてその燃料源が安定的に供給されればその車種は爆発的に売れると思う。(ひょっとしてイラクなどの紛争も解決したりして…。代替エネルギーが開発されれば、逆にアラビアの国々は貧しくなるか??)


 うちはトウモロコシも作っている農家でもあるのだが、最近はバイオエタノールの影響でトウモロコシなどの穀類の世界市場での高騰が報道されている。世界で餓死者が急増するとの予想も目につく。毎週末、散歩していて思うのだが、誰か雑草からエタノールでも作れる技術を開発してもらえないだろうか。雑草なら日本国中伸び放題である。

 雑草というと故牧野富太郎博士から「雑草という名の植物はない」と怒られてしまいそうだが。