田舎者Yの日記

定年退職して農業に従事している者のブログ

(海外からスパムコメントが続きましたので、しばらくコメントは承認制にします。)

理系の復権を望む

 自称「ニセ理系」の私が書くのも変だが、はてなの注目の動画に以下のものが挙がっていて嬉しかった。少しでも「ニセ科学」に対する認知度が上がれば良いと祈っている。

視点・論点「まん延するニセ科学
http://www.youtube.com/watch?v=9LNRYsyWgEY

 しかし、ゲーム脳ニセ科学だったとは…。私も認識不足だった。論者も言っているが、ゲームのやりすぎが人格形成に影響を与える可能性は否定できないと思う。しかし、脳の機能が壊れる…というレベルまでは検証できない(というかありえない)のだろう。個人的にはゲームに限らず、本や映像などでも低年齢のうちは残忍性のあるものは避けたほうが良いと思う。これとゲーム脳の話は関係がないのだろう。


 それからこのビデオクリップで例の水の結晶の話が小学校の道徳で教えられているという事実を知った。(今はどうなのだろう) かなり以前のことだが、米国のある州では聖書の教えに反するからという理由で進化論を教えない所があると聞いたことがあった。(現在もそうなのか、本当の話なのかは未確認)そのときはなんとバカな、と思ったのだが、まさか日本でもその程度のことが起こるとは…。空いた口が塞がらない。

 いやむしろ、米国の例は科学というよりは信仰の問題である一方、日本の小学校の例では信仰が絡まないだけに事態は深刻なのかもしれない。小学校の教員で(少なくともそんな授業をしている学校で)おかしいと思う教員がいなかったのだから。


 背景には「猛烈な」理科離れがあると思う。うちの息子は小学校低学年なので「生活科」などというわけのわからない科目を習わされている。もちろん年齢に応じた学習内容というものがあるだろう。我々の頃だって低学年では社会と理科で大したことは勉強しなかったと思う。でも理科と社会を一緒くたにした「生活科」はない(ナンセンス)だろう。理科と社会は確かに生活と密接に関係あるが別の学問ではないのか。学習の初期段階だから良いのか。それではなぜ国語と算数(数学)は独立しているのだ。両者だって生活と密接に関係があるだろう…。


 話が脱線してしまった。こう言っては言い過ぎかもしれないが、あえて言おう。小学校の先生方というのはほとんど小学校教員養成課程のある大学・短大卒である。入試の区分から言えば「文系」である。まともに物理なり化学なりを学んでこなかったから、人の言葉で水の結晶が変わるなどという荒唐無稽の話も、おかしいと気がつかないのだ。

 大上段に言えば文系を主体に小学校の教員を養成しているからまともな理科・数学教育が行われないのだ。日本が高度成長期にあったときは技術者に需要があったし、魅力ある仕事だったからそれでも問題がなかった。児童・生徒は成長するにつれ自然と科学全般に興味を持つようになった。しかし今は違う。

 個人的に、営業に回された自動車整備士さんを知っている。子どもたちには技術者という仕事は魅力的に見えないだろう。
 特に豊富な天然資源を持たずに、世界でも類稀れなスピードで高齢化している日本のお先まっくらである。


 ちなみに、隣国の中国共産党首脳部はほとんど理系だと聞く。胡錦濤にしても工学部系の出身だ。決して今の中国の政治体制が良いとは個人的には思わないのだが、もう少し日本でも理系の地位が上がればと思っている。


 …と私が書いたところで何の影響もなにだが、本当に今の政府にはニート対策はもちろんのこと、技術振興策というか理系が復権できるような政策を期待している。