9月30日に広島県福山市で酒に酔った16歳の少年が自動車を運転して事故を起こしたというニュースが流れていた。
どうしようもないニュースであるが、最近、無免許の未成年が運転して事故を起こすというニュースを聞くような気がする。推測の下に話をするのだが、その事故を起こした車のほとんどはAT車ではなかったのではないだろうか。
中には教習所に行かずともMTを運転できるマニアックな少年もいるかもしれない。(もちろん無免許運転は違法である)しかし、私にはこの種の未成年による事故は、ATの普及にしたがって増加してきたと思えるのだ。正確には調べていないのだが、あたらずとも遠からずであろう。
実は私が小学生の頃、友人の運転する車に同乗させてもらったことがある。私の友人というのは、もちろん当時は小学生だった!
当時(70年代)日本は高度成長期で自家用車がそろそろ普及しだした頃だった。私の友人は実家が運送業を営んでいた。大型トラックが駐車できる広大な庭があり、彼の父親は当時はまだ珍しかったAT車を所有していたのだ。(たしかセドリックだった)
「俺、自動車運転できるんだ」と、彼の庭をグルッと一周してみせたのだった。(ちなみに後で父親の知るところとなり、彼はこっぴどく怒られたそうである。)
私が言いたいのは、それくらい簡単にAT車は運転できてしまうということだ。もちろん車体感覚などは難しいし、完璧に乗りこなすことは無理だろうが、ATというのはDレンジに入れればアクセルとブレーキだけであるから、小学生にも運転できてしまう可能性が十分にある。
その点MTは敷居が高い。子供には簡単には運転できないであろう。運転が難しいほど乗りこなす楽しみがあるというものだ。だからこそ私はMTをおすすめする。
私がMTの車をわざわざ購入したのは「運転が(きっと)楽しいから」であるが、それだけではなかった。いわゆる「巨匠」、徳大寺有恒氏がMTはボケ防止にも危険防止にもなると書かれたのを目にしたことがあったからだ。(今、それをどこで読んだかは忘れた)
実際、MTに乗るようになり、運転中に退屈することはなくなったと思う。何しろ加速、減速時にはシフトチェンジをするので運転が飽きない。ATの頃よりも運転に集中しているような気がする。
ただ、たまに渋滞にハマルとMTはつらいなと思うことがある。実際筑波山の坂道で渋滞にはまったときは左足がつりそうになってしまった。
そのことを除けばMTは実に楽しいと思う。一昔前のトヨタのキャッチコピーではないが、MT車にはまさに"FUN TO DRIVE"があると思う。