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田舎者Yの日記

片田舎のバイク乗り・Linuxユーザ、つまり変わり者のブログ

小泉八雲「占の話」

今朝(2月9日付)朝日新聞の天声人語小泉八雲の作品の一部が引用されていた。

朝日新聞デジタル:天声人語 2012年2月9日(木)

小泉八雲に「占の話」という随筆があって、挿話がおもしろい。昔の中国で、ある男が瓦を枕にして眠っていると、1匹の鼠(ねずみ)が顔を走った。怒って瓦を投げつけたが、鼠には当たらずに割れてしまう▼男は軽率を悔いて破片を眺め、そこに刻まれた字に気づく。「卯(う)の年の四月十七日、巳(み)の刻に、この瓦は枕になったあとで、鼠に投げられて砕ける」。あまりの的中に男は驚き、焼く前の粘土瓦に予言を書いたという老人を探しに出かける――。

 天声人語はこのあと地震予知の難しさを説くのだが、私は到底地震予知などは「見果てぬ夢」だと思う派である。

 それにしてもこの小泉八雲の作品が気になる。老人を探した男はその後どうなってしまうのだろう…。


 ウェブ検索は偉大である。私のような素人でも探し当てられた。小泉八雲の「占の話」という話であった。(…というか最初から天声人語に記載してあったのか!よく読まなかった。)しかしひと通り検索してみたが残念ながらその文章は見つからない。小泉八雲こと Lafcadio Hearn さんは元々英語で書かれる方であったので英語で検索するとすぐにテキストが多数見つかった。(日本人としてちょっと嫉妬)原題は "A Story of Divination" という作品であった。


A Story of Divination

Scarcely had he fallen asleep when a rat ran across his face and woke him with a start. Feeling angry, he seized his the and flung it at the rat; but the rat escaped unhurt, and the tile was broken. Shôko Setsu looked sorrowfully at the fragments of his pillow, and reproached himself for his hastiness. Then suddenly he perceived, upon the freshly exposed clay of the broken tile, some Chinese characters--between the upper and lower surfaces. Thinking this very strange, he picked up the pieces, and carefully examined them. He found that along the line of fracture seventeen characters had been written within the clay before the tile had been baked; and the characters read thus:--'In the Year of the Hare, in the fourth month, on the seventeenth day, at the Hour of the Serpent, this tile, after serving as a pillow, will be thrown at a rat and broken.' Now the prediction had really been fulfilled at the Hour of the Serpent on the seventeenth day of the fourth month of the Year of the Hare. Greatly astonished, Shôko, Setsu once again looked at the fragments, and discovered the seal and the name of the maker. At once he left his hut, and, taking with him the pieces of the tile, hurried to the neighboring town in search of the tilemaker.

 まさしくこの話である。そして結末は…。

 上記のサイトの英文を読めばわかるのだが、実に八雲さんらしいユーモアと皮肉とそして悲しくて哀れな結末である。なるほどこういう話だったのか。


 またウェブ検索の偉大さを感じた日であった。

[追記]
 この「占の話」は『霊の日本にて』(英題 "In Ghosty Japan")という八雲がいろいろな方々から聞いた話をまとめた小話集のうちの一つの話だということだ。私が紹介した上記のサイトは OCR によるものらしくところどころスペルがおかしい。

 Lafcadio Hearn ならば Project Gutenberg から作品がダウンロードできるのだった。EPUB形式もあるのでタブレットPC等で綺麗に読むこともできる。興味のある方はこちらの方をお薦めする。

Books by Hearn, Lafcadio (sorted by popularity)

In Ghostly Japan by Lafcadio Hearn - Project Gutenberg