田舎者Yの日記

定年退職して農業に従事している者のブログ

(海外からスパムコメントが続きましたので、しばらくコメントは承認制にします。)

ソフトエネルギー・パス

 東北関東大震災における福島第一・第二原発の事故はショックだし、この記事を書いている時点でどうなるかわからない。しかしはっきりしていることは電力供給力が今までよりは低下すること、原子力発電への国民の視線が一層厳しくなることだ。日本でも夏の暑さの一二をあらそう熊谷市近辺に住む身としてはエアコンに頼りっぱなしだったので、今年の猛暑をどう乗りきろうかと少し憂鬱である。
 とにかく今は節電にこころがけ、何とか次の夏をエアコンをあまり使わずに乗りきれないか考えている。


 大学時代に教授から A.ロビンスの『ソフトエネルギー・パス』を勧められて読んだことを思い出した。

ソフト・エネルギー・パス―永続的平和への道

ソフト・エネルギー・パス―永続的平和への道

 昔のことなので記憶が曖昧なのだが、ロビンス博士は従来のように一ヶ所で化石燃料や原子力によって発電しそれを遠方まで送電するのではなく、風力や太陽光などなるべく化石燃料によらない方法で小規模に分散的に発電し利用する方法を提唱していたはずである。

 一時期化石燃料などによらないエネルギーを「代替エネルギー」と総称していたが、ロビンス博士の考えの趣旨は、代替エネルギーをソフトエネルギーを称してその使用を推奨するというところにあるのではなく、むしろ中央集中的に発電するのではなく分散してもっと小規模な地域で発電するという点にあるのかな、と当時学生だった私は理解したのだが、はたしてどうだったか。実家の本棚にまだあると思うので今一度読み返してみたい。


 80年代に少し話題になったが、その後大々的に取り上げられてないので、あるいは何かうまくいなかい点があったのかもしれない。一番の問題はコストか。

 でも昨今のソーラーパネルのブームや風力発電などにその痕跡が見られないわけではない。また私はよく理解できないのだがスマートグリッドなる送電システムもある。これもロビンス博士が提唱したと思われる分散管理を実現させるものかもしれない。


 いずれにしても今回の原発事故に際して、もう一度『ソフトエネルギー・パス』が世間の注目を集めることに少し期待している。