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田舎者Yの日記

片田舎のバイク乗り・Linuxユーザ、つまり変わり者のブログ

数学は科学の女王である

 私が高校時代、アインシュタイン博士の生誕100周年の記念事業がいろいろと行われていた。(もちろんその頃アインシュタイン博士は他界されていた。)一般向けにいろいろなテレビ番組が放映されていたと思うし、結構相対性理論に関する教養本も書店に並んでいたと思う。
 私は、その影響もあって大学で(ある種の)物理学を学びたかったのだが、結局は数学科にすすんだ。数学科しかウカらなかったからだ。大学時代、理学部系に在学しながらも実験実習とは一切無縁の数学科に鬱々としていた。そのせいかどうかはわからないが、常にある種の数学の特殊性をそこはなとなく感じていた。


 そんなことは四半世紀も忘れていたのだが、突然その頃の感情が以下の問いで召喚された。

 数学に関する質問です。なぜ一度正しいと証明された定理が覆されることがないのか? ということが理解できません… - 人力検索はてな


 すでに諸氏が回答されているが、自然科学は自然現象というリアルの世界で検証されるが、数学は人が考えた公理系という人工の「庭」の中で構築されたものだから、その定理の証明手順に間違いがなければ覆ることはない、というのが私の「回答」である。ちなみに Dan Kogai 氏の回答がユニークである。

 404 Blog Not Found:数学と科学の違い


 私は田舎に引きこもり、多少数学と関係が無くはない職に就いてはいるのだが、最先端の数学とは無縁なので数学について議論するのはおこがましいことだ。しかしそれでも敢えて自分の拙い経験を語らせてもらえば、数学は、しかしそれでも、決して現実世界と隔絶されたものでもない。現実のモデル化、抽象化としての数学ではあるが、その成果である定理は稀に現実世界を「予言」する。リーマン幾何学が後のアインシュタイン博士が構築した一般相対性理論をサポートしたように。

 数学の発展は決して世の中の動きと無縁ではない。力学と線形代数が影響を与え合ったように、戦後オペレーションズ・リサーチという分野が考え出されたように。そしてブール代数がコンピュータに結実したように(もちろん数学だけではコンピュータはできないが)。


 話は戻るが、非ユークリッド幾何学の「発見」などは平行線公準を覆したと見えなくはない。数学の公理系は自己完結するが、公理系を外側から眺めれば覆らないこともないような気が私にはするのだが、どうだろう。


 田舎のおじさんが無理していろいろ考えてみたが、今更ながらカール・フリードリッヒ・ガウスの言葉を思い出す。やはり数学はすべての科学を従え、世間の価値観とは一線を画して論理の破綻とは無縁の、ツンとすましている女王なのかもしれない。

Die Mathematik ist die Königin der Wissenschaften und die Zahlentheorie ist die Königin der Mathematik.

 「数学は科学の女王である。整数論は数学の女王である。」


 そういえば私は学部在学中、整数論を選択しなかった。この至言の後半と小川洋子氏の『博士の愛した数式』の一部を知らなかったのがちょっと残念である。