田舎者Yの日記

定年退職して農業に従事している者のブログ

(海外からスパムコメントが続きましたので、しばらくコメントは承認制にします。)

変わり者の親子

 幼児虐待のニュースが耐えないが、私も息子が小さいとき、ひどく叱ってしまったことがある。たしかお尻か手を打ったと思う。頭を殴らないようにはした。


 あとで冷静に反省してみたのだが、当時は狭いアパートに親子3人で暮らしていて、私の場合は人間関係が「煮詰まる」というか、いつも近くに居すぎて冷静に客観視することができなくなってしまったことに原因があったのではないかと思っている。加えて息子が自分に似ていて、息子の行動の中に自分の欠点に似たところを見つけてしまい、どうしても直させようとしたこともその原因の一つだろう。
 よく虐待した親が「躾けのつもりでやった」とコメントすることがあるが、私にはわかる気がする。自分の欠点をすぐそばで見せつけられるきまりの悪さ、矯正しなければと思う焦り、そのようなものが虐待に駆り立てるケースもあるのだろうと自分の経験から思う。もし近くに祖父母や隣人との交流があれば、最悪の事態は避けられるような気もする。自分の場合は娘が生まれて親子関係が複雑になったこと、カミさんの親元に引っ越すことで祖父母や近所の大人の目があることで、それほどきつく叱ることはなくなった。


 最近は娘と遊ぶことが増えたが、やはり長男のことは気になる。同性なのでつい自分の子供の頃と重ねて見てしまう。
 子供は子供で一人の人格であり親のコピーではない。似ているようで違う面もある。そんなことは頭では理解しているのだが、つい自分の子供の頃と同じようなことを要求してしまう。あるいは自分がやりたくてもできなかったことを息子の中に求めてしまう。全く悪い親だ。


 しかし何で頭では理解しているのに親のエゴを突きつけてしまうかと言えば、本当に「自分と良く似ているな…」と思う瞬間がたびたびあるからだ。やはり親子は似るものなのだろう。

 息子の成長の中で困ったのは、私が好きで借りてきた昔のビデオ(DVD)を息子が好きになったことだ。最初は趣味が合ったことが嬉しくて、一緒によくビデオ(DVD)を見ていた。そしてあるとき幼稚園へ迎えに行ったとき、息子だけが仮面ライダー(もちろん初代のやつ)の歌を歌っていたことがあった。「せまるー ショッカー…」顔から火がでるくらい恥ずかしかった。

 ウルトラセブン、鉄人28号(息子と見たのはリメイク版)、サンダーバード、仮面ライダー1号、2号、V3…あきらかに回りの子と好きになる対象が違う。おそらく他の子と共通だったのはアンパンマンとポケモンくらいだっただろう。(よく幼稚園で仲間外れにならなかったものだ。そういえば仲間といえばTRICKの山田を演じる仲間由紀恵も息子は好きだった。女性の趣味も似ていると思った。)


 そして息子の視線は、父親の私と同様、主役よりも脇役、パワフルなキャラクターよりもちょっと弱さを持ったものへ注がれる。最初に気がついたのは「仮面ライダーアギト」である。アギトには主役のアギトの他、ギルス、G3と3人のライダーが登場する(G3は人間が装着するライダースーツである。G3の要潤さんがあれほどブレイクするとは)近所の子はアギトの真似ばかりしていたが、息子はギルスが大好きであった。ギルスは変身のたびに体にダメージを受け一人自分の生い立ちに悩む役であった。
 そしてウルトラセブン。息子は特に最終話が好きだった。最終話でモロボシ・ダンは体がボロボロになりながらも戦いつづける。私も最終話が大好きだ。(ついでに私はメトロン星人の話も大好きだ。最近は子供番組で大人びたブラックユーモアを交える番組なんてほとんどないな…)


 とにかく、父親と嗜好が似ている。我ながら変な親子だと思う。そんな息子が困ったものでもあり愛おしくもある。