田舎者Yの日記

片田舎のバイク乗り・Linuxユーザ、つまり変わり者のブログ

真竹を食す

 親戚が真竹を食べたいという話をしていた。おそらく義父が(その親戚に贈るために)近くの竹薮で採ってきたのであろう、昨日から食卓に真竹が並ぶようになった。真竹のタケノコは今が旬である。

 通常、タケノコといえば孟宗竹である。真竹のタケノコは孟宗よりもやや細く、味はさっぱりとして、草のような爽やかな香りがする。別名苦竹とも言うそうだが、アクを抜けば苦いという感じは全くしない。私の親戚は真竹のほうが美味しいという。

 世間で言うところのタケノコは孟宗である。真竹はあまりタケノコらしい味がしない。というか非常に淡泊な味である。真竹は料理番組で紹介されないので料理には向かないのかもしれない。あるいは量があまり採れないらしいので、ひょっとしたら逆に珍味に属するのかもしれない。とにかく普通のスーパーでは見かけない食材が食卓に並ぶのも田舎の醍醐味だ。


 私がかつて勤めていた職場で、私より年配の方であったが剣道に打ち込む方がいた。柔道経験者の私にしょっちゅう剣道をやりなさい、と勧めてくれた(最後まで私はやらなかったが) その御方は剣道に没頭し、とうとう自分で竹刀を作るまでになった。その方が言うのには竹刀は節が抜けやすく真っ直ぐに育つ真竹でないと作れないとのことであった。そう言えば工芸品のほとんどは真竹製である。

 義父が言うのには私が住む地方では真竹を口にすることは禁忌だったらしい。生け垣や日用品、いろいろなものに加工でき、しかも孟宗よりも繁殖力の鈍い真竹を食べてしまうことは家が傾く元となる、と信じられてきたそうである。


 今や竹細工を行う農家などもほとんどいない。安心して真竹を食べられるのだが、ちょっと寂しい気がした。