田舎者Yの日記

片田舎のバイク乗り・Linuxユーザ、つまり変わり者のブログ

 帰去来

 帰りなんいざ 田園将に蕪(あ)れなんとす 胡(なん)ぞ帰らざる


 今朝の通勤途中、わが愛車プジョー206SWの車中で、NHKラジオから流れる金子勝氏の解説を聞いていた。日本の農業について語っておられた。詳細は忘れてしまった。最近、個人的には金子氏の言説に疑問を抱くこともあるのだが、今朝は概ね同意した。

 大げさに言えばいまや日本の農業は死に絶えている。平均65歳になろうかという農業従事者が食糧自給率40%(カロリーベース。実際には20%台か)を支えている。うちの近所の耕作放棄地を見るまでもなく、徐々に休耕地が増えていることが田舎に住む者としての実感だ。国は1999年、農業基本法を廃止し、食料・農業・農村基本法を制定し、大規模な専業農家の育成や休耕地の減少、食糧自給の拡大をはかろうとしているが現実は厳しい。(個人的には安易な補助金農政のツケが来ているのではないかと思っている)

 あと十年たたないうちに農業従事者は激減するだろう。一部、農家の長男など血縁にあるものが跡を継ぐ場合もあろうが、兼業農家は多少増えても専業農家は減るのではないか。


 金子氏はラジオ番組の中で奥只見(?)では若者が帰農し、地域の農業生産が活性化している、と話していた。私もそうだと思う。うちの義父は60歳で農家としては若手だがwwwいつもアイディアを考え、機械の投資をし、工夫して耕作している。近所で脱サラ(というかリストラ)で農業を始めた人もいろいろと工夫し、会社勤めの頃以上の収入をあげているようだ。農業は工夫次第で旨味の出てくる産業だと思う。ただあまりの高齢化に活気がなくマンネリ化してジリ貧になっているだけだと私は思う。


 ただ金子氏は、地方の農家は都会へ農産物を出して都会の富を吸収するべきというようなことを言うのと同時に「地産地消」ということも言っておられたと記憶する。実はうちの義父はこの「地産地消」という言葉が大嫌いだ。

 その地で作られた物は新鮮なうちにすぐ食したほうが良いにきまっている。遠隔地から輸送するだけでエネルギーを消費するだろう。しかし地方経済は疲弊している。なんと言っても高値で農産物を買ってくれるのは大都会の人たちだ。「地産地消」に拘るばかり地方の農家が損をするようではいけないと思う。

 基本的に「地産地消」ということと地方農家が豊かになるということは矛盾すると思うのだが。金子氏はどう考えるのだろう?(おそらく生産や流通を効率化すれば矛盾しない、と言うのだろうな…。都会に売ったほうが現実的だとワシは思うが)


 その一方でNHK総合TVではネットカフェなどを点々とする新しい形態のホームレスの若者を取り上げていた。(今日はNHKネタばかりだな>ワシ)
東北の農村出身の若者を追いかけていた。個人により事情が異なるので軽々しくは言えないが、都会でホームレスをよりは地元に帰って農業に精を出したらどうだろう。簡単にうまくは行かないだろうが、工夫次第で食べていけると思うのだが。都会のコンクリートジャングルに寝泊まりするよりはよっぽど良いと思うのだが…。


 同僚のニュージーランド人のDさんからこんなニュースを紹介された。
http://nz.news.yahoo.com/070608/3/lls.html

More UK farmers migrating to NZ

The number of British farmers and farm workers approved to obtain work in New Zealand has increased by 40 percent over the past two years, an English farming newspaper says.

 ニュージーランドではイギリスからの農民の流入が相次ぎ、農業人口が増えて農地の値上がりすら起きているらしい。日本では信じられない話だ。ニュージーランドの農政はよほどうまく行っているのだろう。人口密度など、単純にわが国に適用できない面もあるかもしれないが、小泉前首相が郵政の民営化の例として訪れたことがあったが、安部首相もニュージーランドの農政を視察に再びかの地を訪問してはいかがか。

 ちなみにDさんから「なぜ日本は農産品を輸出しないのだ?」と真顔で聞かれたことがあった。日本は通貨レートや労働賃金の高さから価格競争ができない、ということを下手な英語で一生懸命に伝えたのだが、今になって思うと逆に中国沿岸部の富裕層に安全で美味しい生産物として売り込む余地はありそうだ。果樹農家などはすでに実行している例もあるようだ。


 冒頭、陶淵明からの引用などもしてしまったが、本当に都会の若い人たちにも農業という選択肢も考えてほしいものだ。そう簡単に従事できるものではないことは実感しながらも。

 文化大革命期の中国では「下放」という失策があった。日本でもその轍を踏まないようにしないといけないかもしれないが、多少なりとも地方が活性化すれば日本の未来も開けてくる、というものではないだろうか。


 久々に、さだまさしさんの歌が聞きたくなった。